排便の介護方法

Category : 介護の基礎知識

自立の度合いによって補助方法を変える

排泄は最も重要で大変な介護です。
排泄することは食べることと並んで、生命を維持していくための活動として欠かせないものです。

しかし加齢によって体力が衰えてくると、体内の新陳代謝のスピードが遅くなるとともに排便のための筋力が低下してしまうので、自力で排泄をするのが難しくなってきます。

さらに排便というのは非常にデリケートな生理的行為であるため、介助をする人のやり方によっては介護を受ける側の人の心を大きく傷つけ、それが認知症などの症状を進ませることにもつながってしまいます。

排泄介護において最も重要なのは、できるだけ自立した排泄ができるように最小限の手伝いに留めるということです。

本人の体の状態や病気などにより、一連の排泄に必要な動作で出来る部分と出来ない部分とが出てきます。
介助をする人間はその段階をしっかりと観察し、本人にとってやりやすい方法で介助をしていくようにします。

自然な排便をするために必要なこととは

排便介助をするためには、まずは人の体がどのようなしくみによって排泄をするかということをしっかり理解しておく必要があります。

健康な状態の時には、食べ物や水分が胃の中に入ると、胃から大腸にかけての消化器官全体に反射が起こるため、これが蠕動運動という便意を作り出す内臓の動きとなります。

大腸の蠕動(ぜんどう)運動とは、消化器官の内部に圧力がかかることによって大腸が出口に向かって動くことを言い、これにより腸内にたまった便がまとめて直腸に送り出されていきます。

蠕動運動が起こったときに洋式便器に座った姿勢を取ると、直腸の収縮によって便が排出されるので腹圧を自分でかける(踏ん張る)ことにより、自然に重力に従って便器の中に落ちていきます。

自力で排便がしづらくなった高齢者は大人用のオムツをつけたりしますが、横になった体勢では腹圧がかけにくく、重力もないため排泄されにくくなります。

ですのでそのままでは排泄があっても腸内に便が残ってしまうことが多く、それが便秘をますます引き起こしやすくなってしまいます。

そのため、できるだけ座った体勢で排便ができるように手伝うようにし、安心してトイレに入れるように設備などを整えてあげる必要があります。

トイレでの排泄の手伝い方

トイレでの排泄を手伝う場合に必須となるのが、手すりやつかまり棒といった住宅設備です。
車椅子を使用している人であっても、手すりがあると自力で便器に体を移動させることができ、個室内までついていかなくても一人で排便ができます。

自力では立ち上がれない場合には車椅子などで近くまで一緒にいき、ゆっくり体を支えながら立ち上がってもらい、ズボンと下着を下ろして座ってもらいます。