Posted in 介護の基礎知識

寝たきり時に、体の向きを変える方法

なるべく力を入れずに体の向きを変える方法

介護の仕事は離職者が多いことで知られますが、これは何も嫌になって辞める人ばかりではありません。
力仕事を伴う介護作業はコツをつかむまでが難しく、本人にはやる気があっても腰を痛めるなど体力的な理由のために退職を余儀なくされるケースも少なからずあります。

介護の作業で特に力を必要とすることの一つに、寝たきりの人の体位を変更するということがあります。
高齢者の体なんて軽いものだろうと思う方もいるかもしれませんが、寝たきりになってしまっている人の体というのは想像以上に重く、体力のある若い男性であってもなかなか手こずる作業です。

しかし、その一方で作業に慣れたベテラン介護士が軽々と介護をする人を動かす場面もよく見かけられます。
これは同じ体を移動させるにしてもできるだけ力が分散しないようにし、小さな力でも必要な動きを加えることができるようにしているからです。

介護の現場での体位移動を適当にしていると、相手の体の衛生面が損なわれ、褥瘡やあせも、その他の皮膚炎を引き起こしてしまう事になります。

ある意味、寝たきりの人の体を上手に動かせるようになることは介護士としてのスキルがワンランクアップすることにも繋がりますので、ぜひ多くの人にマスターをしてもらいたいですね。

関節部分を重ねて押すようにするのがコツ

なぜ初心者介護士が寝たきりの人をうまく動かすことができないかというと、人の体のしくみがわからず押したり引いたりしてもなかなか動かない場所にばかり力を入れているからです。

合気道や柔道などの格闘技を経験したことがある方ならわかると思いますが、人の体というのは不思議なもので、同じくらいの力を加えても簡単に倒れる場合とぐっと踏ん張られてしまう場合があります。

介護においては格闘技ほど大げさなものではないのですが、基本的には手足のような末端部分を押してもうまく動かないところは、関節や体の基幹にあたるパーツを上手に押してあげると軽く動かすことができます。

ムダな力が入る押し方をしていると、押される相手にとっても強い痛みとなるので、そこから介護者と受ける側とが険悪になってしまうこともあります。

仰向けの人の体を簡単に横向きにするためには、まずは両手を胸の前でクロスにして組んでもらうようにし、足も膝の部分を上下に重ねるようにします。

いわばできるだけ体を丸くしてもらうという方法で、押す時もできるだけ手応えのある腰や背骨といった場所から行います。

どうしても自力で体の向きを変えるのが難しい場合には、体の下に差し込むことで簡単に体を転がせる、カーブのついたクッションも介護用品として販売されています。