Posted in 介護の基礎知識

褥瘡について

一度できるとなかなか回復が難しい褥瘡

褥瘡(じょくそう)とは、「床ずれ」とも言われる寝たきりの人に起こる皮膚疾患です。
なぜ褥瘡が起こるかというと、まず私達は普段眠っているときには、体の血行のバランスをとるために自然に寝返りを打つようになっています。

しかし病気や筋力の低下によって睡眠中に寝返りをすることができなくなってしまうと、横になった体の一部に常に圧力がかかるようになってしまいます。

圧力がかかった皮膚の部分は皮下組織が圧迫された状態が続いてしまいますので、その部分のみ血行が悪くなり、皮膚の新陳代謝ができずに周辺組織が壊死してしまうのです。

正確に言うと褥瘡ができるメカニズムはもっと複雑で様々な要因によって引き起こされるのですが、原因として「長期間特定の部分のみが圧迫されてしまう」ことは断定できます。

介護をする人間にとってはこの褥瘡を防ぐということが非常に重要で、長期間褥瘡を放置してしまうと細菌感染が起こり、全身の病気にまで進展してしまいます。

褥瘡は普通の擦過傷や切り傷と異なり皮膚の炎症によって起こるため、肌が大きく赤くなり中央部分にただれたような傷ができます。

初期の褥瘡は発赤する程度(Ⅰ度)なのですが、進行することでただれて水疱や体液の漏洩が見られます(Ⅱ度)。
さらに進むと膿が出て潰瘍状になり(Ⅲ度)、さらに進むと皮膚が完全に壊死してなくなり骨が見えるようになります(Ⅳ度)。

Ⅳどまで進んでしまうと回復はかなり難しく、生きていながら体の一部が腐ってなくなった状態になるので強い悪臭が発生します。

人為的に体を転がして血行をよくしてあげる

褥瘡を防ぐために最も重要になるのが体位の変更です。
寝たきり状態になっている高齢者は常に天井を向いた状態となっているため、体の向きを動かして圧迫されすぎないようにしてあげます。

具体的な方法としては、まずかかっている布団をとり本人に「これから体を動かします」といった声掛けをしたあと、ゆっくり横向きにしていきます。

この時、まず介護を受ける人の手を胸の前でX字に組むようにし、足を寝返りをする方向を下にして組み合わせるようにしてから肩と腰を支えて転がします。

褥瘡が起こりやすいのは大きな骨が入っている腰やお尻の部分です。
清拭をしながら行うときには、皮膚の状態を細かく見て異変がないか注意していきましょう。

オムツをしている場合は特に注意が必要で、汗ムレが起こりやすいことから褥瘡ができやすく、さらに尿や便によって感染症が早く発生してしまいます。

もし皮膚の一部が赤くなりかけていたら、できるだけこまめに空気を通してあげるとともに、スキンケアのためのローションやクリームを付けて保湿をしてあげます。