不正受給の問題

Category : 介護保険

許される問題ではない

どのような保険であっても、問題となるのが「不正受給」です。
かつて年金保険においても、すでに死亡した人の死亡届を提出しないことによって数十年に亘って年金を詐取し続けたというような事件がありました。
「死なない老人事件」として記憶に新しい人も多いことでしょう。
このような保険の不正受給の問題は、公的介護保険においても発生しています。

昨今発生した問題であるのが、逗子市の社会福祉法人による介護給付費の不正受給問題です。
この事件においては、当該の福祉法人が4年間で1億4千万円もの保険金を不正に受給していることが発覚しました。
手口は法人が運営しているグループホームが入居利用者に対する居宅介護サービスを行っていないにも関わらず、記録を改ざんすることによって不正請求を行っていた、というものでした。
この事件は監査によって発覚し、同法人は不正受給を目的として意図的に行っていたことを認めています。

加算金を含めた返還を行うという意向があることから、刑事告発を行わない方針ではあるものの、こういった介護保険の不正受給の問題は氷山の一角と言わざるをえないでしょう。
全国において、介護保険施設は経済的に厳しい状況にあります。
そのために介護労働者の賃金などが削られる状況にあり、これを解決するための苦肉の策としてこのような不正受給が行なわれたと考えられるでしょう。
勿論、不正に保険金を受給することは全く正しいことではなく社会的道義的に考えても許されることはありませんが、そもそもこのようなことをしなければ運営が厳しくなってしまっている状況こそが日本の介護における病理であるとも言えます。

不正受給チェックへの動き

勿論、このような不正受給の問題が放置されることがないように、国としても動きが現れています。
平成25年には参議院において介護保険の不正受給をチェックするシステムに関する質問が行なわれました。
この質問によるとまず第一の問題点として「介護保険の不正受給が疑われる場合、どこに相談をすれば良いのかが分かりにくい、あるいは相談をしても対応してもらうことが出来ない」ということを挙げています。
お役所体質の事なかれ主義になっているのではないか、という疑問の提起であり、今後より多くの人が介護を必要とする時代が来るに当たって変更しなければならないポイントの一つと言えるでしょう。

さらに「人手不足によってサービスの利用状況の確認が十分に行えていないこと」なども問題として提起されています。
これは介護全体に関わる問題として考えなければならないことでしょう。
ケアプランについてどこが責任をもって指導監督をするのか、サービスの利用状況が現実のものと違っていないかどうかを確認する方法の構築をどうするのか、など考えなければならないことはまだまだたくさんある状況です。