Posted in 医療と介護について

ADLとは

被介護者の動作できる範囲を示すADL

「ADL(Activities of Daily Living)」は直訳すると「日常生活動作」となる介護の用語の一つです。

人は生活をしていくときには生活に必要な動作をすることになるのですが、これが損なわれることにより自力で生活をしていくことができなくなってしまいます。
そのため医療や介護の現場においては、その人がどのくらい日常動作を自力で行うことができるかどうかを「ADLを評価する」というふうに表現するのです。

具体的なADLとしては、食事や排泄、入浴、着替えといったことで、必ず日常生活に必要になる動作をどのくらい自分でできるかどうかというところが評価のポイントになってきます。

ADLとセットで使われることの多い用語が「ICF(International Classification of Functioning, disability and Health:国際生活機能分類)」というものです。
ICFは人間が生活をしていくときの機能と障害を分類していくための国際基準であり、ADLの評価をするときにはICFの一覧として定められている表の、どこに当てはまるかということを考えていきます。

ICFでは「心身機能・構造」「活動」「参加」の三分野で、それぞれどの程度のことを行うことができるかということで判断しています。

ADLの基準では身体能力のみで判断されてしまいがちですが、ICFの基準により判断していくことでその人がどの程度の医療や介護、また地域としてのサポートを必要としているかを総合的に判断することが可能です。

介護におけるADLの重要性

介護においてADLを評価することは、疾患の状況に関わらず幅広くその人の状況を把握することにつながっていきます。
ただしADLの評価で重要なのが、同じ人の評価が常に一定というわけではなく、昼と夜とでできることが異なってくることも多いという点です。

認知症の患者の場合、午前中は比較的しっかりしているのに、夕方以降急激に機能が悪化するという特徴があります。
そこで単純な決めつけをするのではなく、どういったときにより改善が見込めるかということを考えた上での介護活動にあたらなければいけません。

こまめに評価をしていくことにより、生活に支援をしたり介助活動を通して自立してできるようにしていく目標を定めることにもつながっていきます。

ADLの評価は細かい身体的な特徴や心理面を分類して行うものですが、それを総合的に高めていくことにより「QOL」を高めることにもつながっていきます。

QOLを高めるためにADLの評価を高くしていくことは切り離して考えることができませんので、介護の仕事をしている人だけでなく、要介護者を抱える家族にとっても非常に重要な役目となります。