Posted in 医療と介護について

QOLとは

介護と関係性が深いQOL

「QOL(Quality Of Life)」は、直訳すると「生活の質」となる医療や介護の現場の用語の一つです。
使い方としては「QOLを高める介護」や、「QOLを重視した介護方針」といったように、通常の介護方法だけでなく、そこから要介護者がどんな人生を送っていくかということを考えた内容となっています。

日本は世界的に見て平均寿命が男女ともに長く、男性80.98歳、女性87.14歳と、香港に次ぐ世界第二位の実績です(2017年7月時点)。
その反面で「健康寿命」と言われる自立した生活をすることができる寿命は実寿命よりも-10歳程度とされており、ほとんどの人は死亡するまでの残りの10年間を要介護や寝たきりで過ごしてしまっています。

この平均寿命と健康寿命のギャップの高さも日本では非常に高いとされており、介護でつらい思いをしながら10年を過ごすということは、本当の意味で寿命を延ばしてはいないのではないかという指摘を度々受けてきました。

そのため現在では高齢者介護においてはただ身の回りの世話をするということだけでなく、QOLを高めて精神的に楽しみを感じることができるようにしていくということが、現在の介護現場では目指されているのです。

言い換えればQOLを高める介護というのは、「介護や医療を受ける人が自分らしい生活を送ることができる」ことを目的にしていると言えます。

介護におけるQOLの重要性

逆に「QOLの低い状態」の介護とはどういうものか、を考えてみましょう。

人は誰しも高齢になってくると体力が衰え、精神的に弱気になったり小さなことを不安に感じたりするものです。
さらに子供や孫が遠方に引っ越して独居や夫婦のみの老老介護状態になっていると、社会から孤立したような状態になってしまい、それが生活への活力を損なわせることにもなってきます。

毎日の生活に楽しみや刺激がなくなってくると「生きていても意味がない」「早く死んだ方が楽」というようなネガティブな気持ちが多くなってきます。
そうしたネガティブな気持ちは、健康にも非常に高い影響を及ぼしてきてしまうので、それまで健康であったはずの人が急激に自力で生活ができなくなってしまうということにもなります。

QOLは精神的なストレスと関係があることもわかっており、例えば足腰の筋力が弱くなってきて自力で歩ける範囲が狭くなってくると、それがストレスになって外出をしなくなり、そこから介護が必要な状態になっていってしまいます。
そこで介護施設ではQOLを高めた介護ができるように、身の回りの世話をするだけでなく楽しく外出できる方法や、また他の地域の人達と交流していけるきっかけを作っていくように努力していくことになるのです。